どんな取り組みか
Salesforceで大量のデータを一括して登録、更新、削除する際に中心的な役割を果たすのが、公式に提供されている無償のデスクトップアプリケーション「データローダー(Data Loader)」です。CSVファイルを利用して、数百万件規模のレコード操作を効率的に行うことができます。
データローダーが対応する主な操作は以下の通りです。
- Insert: 新規レコードの一括作成
- Update: 既存レコードの一括更新
- Upsert: レコードIDや外部IDをキーに、存在しないレコードは作成し、存在するレコードは更新
- Delete: レコードをごみ箱に移動させる一括削除
- Undelete: ごみ箱内のレコードの復元
- Hard Delete: レコードをごみ箱に入れずに完全に削除
- Export: SOQLクエリを使用してレコードをCSVファイルに抽出
- Export All: 削除済みやアーカイブ済みのレコードを含む全レコードを抽出
Salesforce標準の「データインポートウィザード」と比較して、データローダーはより大規模なデータ移行や専門的なメンテナンス作業に適しています。特に、SOQLを用いた柔軟なデータ抽出や、復元不可能な完全削除(Hard Delete)といった高度な機能が特徴です。
動作環境
インストールを開始する前に、使用するコンピュータが以下の要件を満たしているかを確認することが重要です。これはバージョンv67時点のものです。
- データローダーバージョン: v67
- 対応OS(Windows): Windows 10 / 11 (Intel / AMD x86-64bitのみ)
- 対応OS(Mac): macOS 13 (Ventura), 14 (Sonoma), 15 (Sequoia) (Intel / Apple Silicon両対応)
- 必要なJava: JRE 17以上(Azul Zulu OpenJDKを推奨)
- Salesforceエディション: Enterprise / Unlimited / Developer / Performance
自身のPCのOSやプロセッサの種類は、Windowsでは「設定」>「システム」> 「システム情報」の「システムの種類」で、Macでは画面左上のアップルメニューから「このMacについて」で確認できます。
実装のポイント
データローダーのインストールは、大きく分けて2つのステップで構成されます。重要なのは、必ず先にJavaをインストールすることです。この順番を守らないと、データローダーが正常に動作しません。
- Java(JRE 17以上)をインストールする
- データローダー本体をダウンロードし、インストールする
STEP 1: Java(Azul Zulu OpenJDK)のインストール
データローダーの動作にはJava実行環境(JRE)バージョン17以上が必須です。Salesforceは無償で商用利用も可能な「Azul Zulu OpenJDK」を推奨しています。
Windowsの場合
- Azulの公式ダウンロードページにアクセスします。
- フィルター機能で「Java Version: 17 (LTS)」「OS: Windows」「Architecture: x86 64-bit」「Package type: JRE」を選択します。
- 表示されたリストから拡張子が
.msiのファイルをダウンロードします。 - ダウンロードしたインストーラーを実行します。インストーラーの指示に従い進みますが、途中で「Set JAVA_HOME variable」のオプションを有効にすることが推奨されます。これを設定しないと、後のデータローダーインストールが失敗する可能性があります。
Macの場合
- Azulの公式ダウンロードページにアクセスします。
- フィルターで「Java Version: 17 (LTS)」「OS: macOS」「Package type: JRE」を選択します。
- 「Architecture」は、お使いのMacに合わせて選択します。Intelプロセッサの場合は「x86 64-bit」、Apple Silicon(M1, M2など)の場合は「ARM 64-bit」を選びます。
- 表示されたリストから拡張子が
.dmgのファイルをダウンロードします。 - ダウンロードしたファイルを開き、パッケージインストーラーを実行してインストールを完了させます。
インストール後、コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(Mac)で java -version コマンドを実行し、OpenJDKのバージョン情報が表示されれば正常にインストールされています。
STEP 2: データローダー本体のダウンロードとインストール
Javaの準備が整ったら、データローダー本体をインストールします。
- Salesforceにログインし、「設定」画面を開きます。
- クイック検索ボックスに「データローダー」と入力し、表示されたメニューをクリックします。
- データローダーのページでダウンロードボタンをクリックし、zipファイルをダウンロードします。
- ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
Windowsの場合
解凍したフォルダ内にある install.bat ファイルを右クリックし、「管理者として実行」を選択します。コマンドプロンプトが起動し、インストール先やショートカット作成の要否を尋ねられるので、指示に従って入力します。「Data Loader installation is quitting.」と表示されたら完了です。
Macの場合
解凍したフォルダ内にある install.command ファイルをダブルクリックして実行します。ターミナルが起動し、インストール先を尋ねられます。デフォルトの場所でよければ「Yes」と入力するか、任意の場所を指定します。「Data Loader installation is quitting.」と表示されたら完了です。
起動と初回ログイン
インストールが完了したら、アプリケーションを起動します。Windowsではデスクトップショートカットから、Macではインストール先に作成された dataloader.app から起動できます。
初回起動時にはログイン設定が必要です。
- 任意の操作ボタン(例:「Insert」)をクリックするとログイン画面が表示されます。
- 接続先環境(本番環境は「Production」、Sandboxは「Sandbox」)を選択します。
- 認証方式を選択します。ブラウザ経由で安全に認証できる「OAuth」が推奨されています。または、ユーザー名、パスワード、セキュリティトークンを直接入力する「Password Authentication」も利用可能です。
認証が成功し、メイン画面に戻ればセットアップは完了です。これで大量のデータ操作を開始できます。
まとめ
Salesforce データローダーは、大量のレコードを一括処理するための強力なツールです。インストールプロセスは、特にJavaのセットアップでつまずくことがありますが、本ガイドの手順に従うことで、WindowsとMacのどちらの環境でもスムーズに導入することが可能です。適切な手順で環境を構築し、データ移行やメンテナンス作業の効率化に役立てましょう。
出典: https://zenn.dev/actbe_tech/articles/15bb6fdffce094
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- Salesforce Certified Application Architect
- Salesforce Certified System Architect
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